ドメイン移管・サーバー移管の手順と注意点
Webサイトやホームページのリニューアルに伴って、ドメインやサーバーの移管を実施するケースも少なくありません。
実際に移管を実施する場合、お客さまにも、おおまかな流れや注意点を理解しておいていただくと、スムーズな部分も多いため、記事にまとめておこうと思います。
もちろん、都度きちんとご説明差し上げますので、ご安心ください。
目次
今回は下記の内容で移管する想定にてご説明したいと思います。
対象ドメイン:example.com
メールアドレス:info@example.com
Webサイトと同じドメイン・同じサーバーにて、メールアドレスも使用。
合わせて移管したい。
移管元(旧管理者) | 移管先(新管理者) | |
---|---|---|
管理者 | 制作会社B | アットノエル |
ドメイン会社 (レジストラ) |
ムームードメイン | お名前.com |
サーバー会社 | ロリポップ | エックスサーバー |
「既存のサイトをそのまま移管する場合」「ドメイン・サーバーの移管に合わせてサイトのリニューアルを実施する場合」にわけてご説明いたします。
既存のサイトをそのまま移管する場合
ひとまずサイトには手を加えず、ドメインとサーバーの移管のみ行う場合です。
ドメイン移管
おおまかには、新管理者から旧管理者へ「移管の申請」をし、旧管理者が「承認」する、という流れになります。
そのため旧管理者へ依頼、あるいは確認する点がいくつかあります。
1.AutCodeの発行
旧管理者へドメインの移管に必要な「AuthCode(オースコード)」の発行を依頼します。
不正なドメイン移管を防ぐため、各ドメインに割り当てられたパスワードのようなものになります。
なお、AuthCodeは非常に重要な情報です。
いきなり知らない会社からリクエストして、はいどうぞともらえるものではありません。
クライアント経由でお願いするか、クライアントから話をとおしておいていただきます。
2.ドメインのステータスを確認
合わせて下記についても旧管理者へ(あるいはWhois情報)で確認をします。
- 取得から60日以上であること
- 有効期限が2週間〜1ヶ月以上あること(レジストラによって異なります)
- ドメインロックがかかっていないこと
- Whois情報の連絡先メールアドレスが受信可能なこと
3.移管の申請をする
新管理者によってお名前.comから移管の申請を行うと、レジストラの承認を経たうえで、旧管理者宛に承認依頼メールが届きます。
念のため、申請の報告を旧管理者へ行い、承認されれば移管完了です。
4.名義の確認
ドメインの移管は名義も引き継がれます。
クライアントの名義になっていれば良いのですが、旧管理者になっている可能性もあるため、移管後に確認しておきます。
また、逆にドメインを引き渡す場合も、あらかじめ自社の名義になっていないか、念のため確認しておくと良いでしょう。
補足:同じドメイン会社同士で移管する場合
新旧両管理者が同じドメイン会社で管理していた場合は「アカウントの付け替え」「ドメイン譲渡」等の方法での引き渡しが可能です。
サーバー移管
おおまかには、旧サーバーから新サーバーへサイトを引っ越し、ネームサーバーを切り替える、という流れになります。
注意するポイント
- サイトだけでなく、メールにも影響があります。
- ネームサーバーの切替時に不安定になります。
- メールソフトの再設定が必要です。
1.サイトの移管に必要な情報・データを提供してもらう
旧管理者へいずれかの方法で、移管に必要な情報・データを提供してもらいます。
- データ一式を提供してもらう
- FTP情報を提供してもらいダウンロードする
- WordPressでできているサイトであれば、エクスポートしたデータの提供
あるいは、管理者権限を持ったアカウント情報を提供してもらう
ドメイン移管時のAuthCodeの時と同様、クライアント経由で依頼、あるいはクライアントから、事前に話をとおしておいてもらいましょう。
2.移管先のサーバーを用意する
今回のケースで言えば、エックスサーバーのアカウントを用意し、ドメイン(example.com)を追加します。
3.移管先のサーバーへサイトを移設する
必要に応じてWordpressのインストールや、CGIのパーミッション設定などを行い、サイトを移設します。
今回のようにエックスサーバーであれば動作確認用URLを発行、あるいは共用ドメイン等で挙動をチェックし、問題ないことを確認します。
なお、クローラーにインデックスされてミラーサイトだと認識されないよう、パスワードもかけておきます。
4.移管先のサーバーにてメールアカウントを発行する
メールアドレスを発行しておき、メールソフトの設定に必要な情報をクライアントへ共有します。
この後、ネームサーバーを切り替えてから発行しているのでは、メールのとりこぼしが発生する可能性があるためです。
あらかじめ、該当のドメインで発行・使用しているメールアカウントをすべて把握・確認しておきましょう。
※ただしこの時点ではネームサーバーがあたっていないため、メールアドレスは使用できません。
※また、同じ理由で、新サーバーにおけるメールアカウントの発行には認証が必要です。
メールソフトにもよりますが、普段使っているものとは別のメールソフトで、新サーバー経由のメールの送受信ができるようにしておきます。
エックスサーバーの場合、Webメールを一時的に使用し、落ち着いたら設定し直す、といった手順を踏むと良いでしょう。
5.ネームサーバーの切り替え
新サーバーのサイトのパスワードをはずし、ネームサーバーを切り替えます。
Webサイト、メールともに、48時間程度不安定になります。
具体的には、ドメインの参照先が、旧サーバーになったり、新サーバーになったりします。
何かしらキャンペーンを実施していたりする場合は、その期間中に実施するのは避けるのがベター。
また、リスティング広告などをかけている場合は、一時的に出稿を止めておくと良いですね。
6.SSL化・ドメインの正規化
SSL化・ドメインの正規化等を実施して移管完了です。
また、不必要になった旧管理者の情報が残らないよう、CMSの管理者アカウントの整理やパスワード変更等も忘れずに対応しておきましょう。
落ち着いたら旧サーバーの解約時期をクライアントに指示させていただきます。
補足:同じサーバー会社同士で移管する場合
移管元と移管先が同じ会社のサーバーを使用する場合、同一ドメインを、複数のIDに設定することはできないことが多いです。
- さくらインターネット:ドメインを利用する場合の制限事項と仕様を知りたい
- エックスサーバーBusiness:異なるサーバーIDへドメイン運用サーバーを変更したい
いったんサイト・メールを移管元のIDから削除したうえで、移管先のIDへ設定すれば可能ですが、当然その間、サイトは閲覧できませんし、メールも使用できなくなってしまいます。
それでも問題ないのであれば良いのですが、なかなかそういったケースは少ないでしょう。
対策としては、
- 一時的に別のサーバー会社へ移管し、その後最終的に使用したいサーバーへ移管する
- 今まで使用していたサーバー会社とは異なる会社のサーバーを移管先に選定する
のいずれかになります。
ドメイン・サーバーの移管に合わせてサイトのリニューアルを実施する場合
ドメイン移管
先程と手順は同じです。
サーバーの移管と違い、ドメインの移管によって、サイトが不安定になったりすることはないため、早めに移管を済ませておきます。
サーバー移管
おおまかな流れは先程と同じなのですが、先程と違ってサイトを移設する必要はありません。
新サーバーにて新サイトを構築し、公開のタイミングでネームサーバーを切り替えれば良いのです。
ただ、ネームサーバーの切り替えは、前述したとおり不安定になります。
リニューアル時にそれが不都合となる場合は、先程の手順で事前にサーバー移管を済ませておくこともあります。
2006年よりWebサイト制作・運用に携わる。2012年アットノエル創業。 個人事業主から上場企業まであらゆる業種のWeb活用を支援し、主にWebサイトの企画や運用サポート、お客さまの相談役を担っています。 「最適化」と「情報整理」が得意。
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