Webサイトの英語化で気をつけたい和製英語 業界別まとめ

海外拠点があったり海外展開を検討していたりと理由は様々ですが、日本語で制作したWebサイトの多言語化を希望されるケースが多くあります。
Webサイトの多言語化を行う場合、翻訳会社へ依頼し、プロが翻訳したテキストを用意できることが理想です。自社で翻訳できるスタッフがいる場合も問題ないでしょう。
しかし、予算や諸事情によりそれが難しい場合、翻訳ツールやAIを使う選択肢もあります。

翻訳ツールによって翻訳される文章は、精度が上がってきてはいるものの、やはりネイティブにとっては違和感のある文章になってしまうこともあります。
その理由の一つが、「和製英語」です。
私たちが普段使っている言葉の中にはカタカナで表記されるものがたくさんありますが、カタカナ語には、英語でそのまま使える「外来語」と、そうではない「和製英語」が存在しています。
この和製英語とは、日本人によって作られたカタカナの日本語であり、英語に似てはいるものの、そのまま英語の綴りに直したところでネイティブには正しく伝わりません。

今回は、英語圏対応時のWebサイト制作に関連する和製英語について、ご紹介していきたいと思います。

Webサイト全般に使われる和製英語

まずは、一般的なコーポレートサイト及びネットショップで使われる和製英語をご紹介します。

メールマガジン

英語でのmailには電子メールだけではなく、手紙という意味も含まれます。そのため、mailという表記ではどちらのことか判別できず、電子メールを意味するe-mail magazineとする必要があります。これを略して、e-zineと表記することもあります。

ゴールデンウィーク

そもそも日本にしかない連休のため、英語で直訳できる言葉がありません。
「Golden Week」としてその後に説明を加えるか、大型連休であるlong holidayという言葉を使うのが良いでしょう。

アフターサービス

日本でアフターサービスと言えば、商品の購入後に提供される保守や修理といったサービスを指します。英語では、 after sale serviceやrepair service のように表現します。
海外では、日本のような充実したアフターサービスは一般的ではありませんので、購入する側もあまり期待していないケースが多いです。

メリット/デメリット

英語でもmerit/demeritという言葉はあるものの、日本語のメリット/デメリットとはニュアンスが違うため、翻訳時にはより注意すべき言葉になります。
日本語のメリットは、「利点」や「得」といった意味で使われますが、英語でのmeritは長所という意味です。
対するデメリットも同様で、「欠点」や「損」を意味する日本語に対して、英語のdemeritは短所という意味になります。
日本語でのメリット/デメリットを表す場合には、advantages/disadvantagesを使うようにしましょう。

アンケート

顧客の満足度を知るためにも不可欠なアンケート。実はこれも英語ではありません。
フランス語が元になっているので和製英語というのも少しおかしいですが、英語ではsurveyやquestionnaireといった言葉を使います。

テーマ

ドイツ語であるthemaをカタカナ表記することから作られた言葉です。
英語ではthemeと表記し、綴りは似ているもののカタカナで表記しようとすると「テーマ」というより、「スィーム」に近い音になります。
テーマパークやテーマソングなどをテーマがつく言葉も多いため、それを翻訳する場合も注意する必要があります。

フリーダイヤル

フリーダイヤルといえば「0120」や「0800」で始まる、通話料を着信側負担で電話できるサービスです。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の登録商標なので、海外では伝わりません。英語では、toll freeという言葉を使うのが一般的です。

求人サイトで使われる和製英語

次に、求人サイトや求人コンテンツで使われることの多い和製英語を集めました。
応募者にとっても、企業にとっても大切な就職という場面。認識に行き違いがあっては、トラブルになりかねません。
和製英語であることを理解し、正しく伝わる英語に言い換えるようにしましょう。

ハローワーク

ハローワークは職業紹介所の通称であり、英語で伝えるためにはjob centerやpublic employment security officeとする表記する必要があります。
仮にハローワークをhello workと翻訳してしまうと、ネイティブにとっては全く馴染みのない言葉。伝わらないため、注意しましょう。

エントリーシート

就職活動では必須とも言われるエントリーシート。Entry Sheetを略してESと表記することもしばしばあります。どちらであってもネイティブには伝わらないため、翻訳をする際にはapplication formを使います。

マンツーマン

「入社後は先輩社員がマンツーマンで指導します」といったように日本では一対一で対応するときに使われる言葉です。
しかし、英語でのman to manと表記をした場合、全く別の意味を指します。
manという言葉通り、「男性二人がお互い遠慮なく話し合うこと」を意味するため、日本語とはニュアンスが大きく異なります。
現在ではほとんど使われることのない古い言い回しでもあるので、使う機会も滅多にないでしょう。
日本語でのマンツーマンの意図を伝えたい場合、one on oneを使います。

ベースアップ

日本では、基本給が上がることをベースアップと言います。しかし、英語圏では給与体系が日本とは異なるため、ベースアップに代わる言葉はありません、
ベースアップに近い言葉として昇給がありますが、昇給はpay raiseと表します。

オフィスカジュアル

求人サイトでは、オフィスカジュアルOKなど、現在でも日本でよく使われている言葉です。
しかし、こちらも和製英語。英語では、business casualを使いましょう。

アルバイト

このアルバイトですが、仕事を意味するarbeitというドイツ語が元になっています。
日本では非正規雇用であれば、勤務時間に関係なくアルバイトと呼びますが、英語圏ではそもそもの考え方が異なります。
英語圏では正規雇用であるかどうかに関わらず、週40時間以上の勤務はfull time job、それ以下はpart time jobと呼びます。
しかし、このようにpart time jobという表現をネイティブで使う人は実際には少ないそうです。
なぜなら、英語圏では正社員とアルバイトなど働く人を雇用形態で区別するケースが少なく、どちらも同じ仕事をする人として扱うケースが多いためです。

建築業界で使われる和製英語

設計事務所やデベロッパー等、弊社でも比較的クライアントの多い建築業界。
そんな建築業界でも和製英語が多くあります。

リフォーム

日本では馴染みのリフォームという言葉。家などの老朽化した建物を改装する意味で使われています。
英語にもreformという言葉はありますが、英語でのreformは日本語とは意味が異なり、「改革」や「改正」という意味になります。建物を改装する際には使用しません。
日本語のリフォームを英語で表現するためには、renovationという言葉を使います。

日本では、原状回復の改装のことをリフォーム、価値を上げる改装のことをリノベーションと呼び分けています。
先ほどのリフォームの英語がrenovationであるのに対し、日本語のリノベーションを英語にするとremodelという言葉になります。
つまり、翻訳する際は、リフォームはrenovation、リノベーションはremodelとなるため、混同しないよう注意が必要です。

マンション

実はマンションも和製英語です。英語には日本語のような集合住宅のような意味はありません。英語では、apartmentを使います。
日本語では、マンションとアパートで呼び分けていますが、英語ではどちらも同じapartmentです。
ちなみに、英語でのmansionは「豪邸」という意味になります。
誤ってI live in a mansion.だなんて言ってしまったら、びっくりするに違いありません。
また、分譲マンションなど所有者が大家ではない場合は、apartmentではなくcondominiumを使います。

LDK

日本では、リビングダイニングキッチンの頭文字を取って、LDKと呼びます。
また、そのLDKに加えて何部屋あるかによって、1LDKや2LDKといった表現をします。
しかし、英語圏ではこのような表現をすることはなく、考え方も異なります。
寝室として使用しなくても、寝室として機能する広さがあればbedroomと呼びます。
つまり、子供部屋や書斎であっても、bedroomです。
敷地が小さめの日本の家と比較して広い家が多いため、リビングとダイニングはあって当たり前のものという感覚だそうで、あえて表記することはありません。
そのため、リビング、ダイニング、寝室、子供部屋がある家を伝える場合、2bedroomと表します。

ワンルーム

日本語では、一人暮らし用の仕切られていない部屋をワンルームと呼んでいます。キッチンとリビングが仕切られていない、玄関からリビングまでが一体になっている間取りのことです。
英語では、studioやstudio apartmentという言葉を使います。

トイレ

もちろんトイレの語源となっているのは英語のtoiletです。
日常生活でもこの単語はよく見かけるので、トイレが和製英語?と不思議に思うかもしれません。
しかし、このtoilet、実は場所を表すものではなく、便器そのものを指す言葉なのです。
例えば、間取りにtoiletと表記してしまうと、ネイティブには不自然に感じることでしょう。
日本語でのトイレを指す場合は、restroomと表記をします。
飲食店など、不特定多数の人が来店するトイレの扉には、きちんとrestroomと書かれていることも多いですよね。

コンセント

日本語では、差す側と差される側をどちらもコンセントと言いますが、英語ではどちら側かで呼び方が異なります。
差す側をplug、差される壁の穴をsocketやoutletと言います。
英語でのconsentは、「承認」や「同意」といったビジネスシーンで使う言葉になりますので、誤って使わないよう注意しましょう。

オートロック

現代では多くのマンションで防犯を目的に取り入れられているオートロック。実はこれも和製英語です。英語では、automatic door lockと言います。オートロックはこの英語を省略した形ですが、ネイティブには伝わらないので覚えておく必要があります。

飲食業界で使われる和製英語

とりわけ飲食店の場合は、Webサイトのみならず、実店舗に来店する海外のお客さまに向けたポップや掲示物にも注意する必要があるでしょう。

タッチパネル

最近では飲食店でもタッチパネルで注文する形式も増えています。実はこのタッチパネルも和製英語で、英語ではtouch screenと表記します。
panelという英語は板という意味で、完全に間違った表現でもありませんが、ネイティブが聞くとやはり不自然な表現であるので、やはりtouch screenとすべきでしょう。

バイキング

日本でも海外でも、食べたいものを好きなだけ自分で選んで食べることのできるバイキング形式の食事は人気があります。
このバイキングという言葉、英語の綴りに直すとvikingとなりますが、海賊という意味になってしまいます。
これでは、ネイティブには何の話なのかも伝わらないことでしょう。
一つの単語でバイキングの意味を表す言葉はないので、食べ放題はall you can eat、飲み放題はall you can drinkと言い換えましょう。

テイクアウト

厳密に言えば、テイクアウトは英語表現なので、和製英語ではありません。
しかし、日本で使っている「持ち帰り」以外の意味も持つため、上手く伝わらなかったり、誤解が生まれてしまったりすることがあるようです。
持ち帰りの意図を誤解なく伝えるためには、to goを使うのがベターと言えるでしょう。

ノンアルコール

ノンアルコールのドリングを指すときは、non alcoholicを使います。
一見ノンアルコールと同じように見えますが、発音をカタカナで表すと「ノンアルコホリック」となります。
微妙な違いではありますが、些細な誤りでも相手に正しく伝わらないこともあるので注意が必要です。

パン

これは多くの方がご存じだと思います。パンはポルトガルのpaoが語源であり、英語ではbreadと言います。
ちなみに、panはフライパンを指す言葉です。

フライドポテト

ハンバーガーとセットでお馴染みのフライドポテトも実は和製英語。
fried potatoesのfriedには「揚げた」や「炒めた」と言う意味があるので、意味合いとして大きく違うわけではありませんが、一般的にはfrench friesを使います。
このfrenchはフランスとは関係なく、「細く切られた」という意味を持ちます。

シュークリーム

日本でいうシュークリームは、フランス語のchou à la crèmeが元になっています。
英語でシュークリームと言えば、shoe creamであり、靴用のクリームのことです。
シュークリームを伝えたい場合、英語ではcream puffを使います。

ソフトクリーム

ソフトクリームを英語の綴りに直すとsoft creamとなりますが、これはネイティブにとって柔らかいクリームという意味になり、日本でのソフトクリームとは違ったものを想像するようです。
英語で伝えるためには、soft serve ice creamと言います。
日本でソフトクリームを広めるために、出来るだけ短くわかりやすい言葉にしようとserveとiceを省いた結果、ソフトクリームと名付けられたそうです。

アパレル業界で使われる和製英語

オーダーメイド

日本でのオーダーメイドというのは、自分好みのサイズやデザインで注文し、自分にぴったりのアイテム作ってもらうことを指します。
英語ではtailor madeを使います。tailorは洋服の仕立て屋という意味なので、元々はファッションに関連するものに使われていた言葉だというのがわかります。
現在では、特にファッション関連のものでなくても、使って問題ありません。
他にもcustom madeやmade to orderという表現もあります。

フリーサイズ

日本語で言うフリーサイズは、英語では一般的に one size fits all と表現します。
直訳すると、一つのサイズですべての人に合うという意味です。
freeには「制限されない」という意味もありますが、sizeと合わせて使われることはありません。
ネイティブにとってfree sizeは、無料の大きさと捉えてしまい、何のことかわからないそうです。誤って使わないようにしましょう。

クリーニング

英語でのcleaningは、掃除という意味であり、日本語での洋服のクリーニングとは異なります。
英語で洋服のクリーニングを指すときは、dry cleaningを使います。

ジーパン

英語では、jeansと言います。ジーパンはジーンズパンツの略ですが、省略した形では伝わらないので注意しましょう。
日本ではジーパンに近い言葉でデニムという言葉もあります。
こちらは、英語でも同じくdenimですが、日本でのデニムがボトムスを指すことがほとんどなのに対して、英語では「デニム生地の」という意味で、どんなアイテムなのかはわかりません。そのため、jeansを使う方が良いと言えるでしょう。

パーカー

カジュアルなスタイルの定番アイテム、パーカー。老若男女問わず好まれるアイテムなので、持っている人も多いはずです。
これを英語では、hoodieと呼ぶのが一般的です。日本でもブランドによっては、フーディーと呼んでいるところもあるので、少し馴染みがあるかもしれません。
ファスナーが付いている上着タイプ、付いていないかぶるタイプに関わらずフードが付いているもの全てをhoodieと呼びます。
parkaという英語もありますが、フード付きの防寒アウターを指すので、季節を問わずパーカーを着ている日本とはニュアンスが異なります。

ワンピース

英語でワンピースを表す言葉は、dressです。日本でドレスというと、結婚式で着るようなフォーマルなものをイメージしてしまいます。
しかし、英語では、カジュアルなものもフォーマルなものも共にdressを使います。
どんな場所で着るdressなのかを伝えたい場合は、casual dressやparty dressのように表現すれば、問題ありません。
ちなみに、ネイティブがone pieceと見ると、上下がつながっている水着を連想してしまうそうです。

ワイシャツ

日本語でワイシャツと言うようになった由来ですが、white shirtを聞き間違えたという説が濃厚です。もちろん、白いシャツの場合はwhite shirtで問題ありません。
しかし、日本では色に関わらずスーツの中に着るフォーマルなシャツをワイシャツと呼びます。
日本でのワイシャツを英語にしたい場合、dress shirtやbusiness shirtと表現します。

Webサイトの多言語対応をする際には注意しましょう

仕事柄、僕たちがお客さんとの間で毎日何度も口にする「ホームページ」という単語。実はこれも和製英語です(笑)
ホームページをhome pageと翻訳したとしても、ネイティブの人には違和感のある文章になってしまいます。
正しくはwebsiteであり、それ自体は日本でも伝わりますが、なぜか日本では会社やお店の公式サイトを「ホームページ」と呼ぶことが浸透しています。

いずれにせよ、英語だと思いながら使い慣れた言葉が、実は和製英語だった、ということもよくあります。
和製英語によって、ネイティブの相手に上手く意味が通じなかったり、誤解が生まれてしまうおそれもあります。
不必要なトラブルを回避するためにも、Webサイトの多言語対応をする際には特に注意しましょう。

その他、Webサイトの多言語化における注意点やポイントなどについては、下記の記事をご覧ください。

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