GA4でLINE公式アカウントからの流入・CVを計測する方法
自社サイトへのアクセスアップを図る手段のひとつに、LINE公式アカウントの活用があります。
せっかく活用するのであれば、きちんと成果を把握できるようにしておかねばなりません。
例えば、お得な情報等を配信し自社ECサイトへ誘導する場合など、「実際にどのくらいの人がサイトへ訪問してくれたのか」「どのくらい購入してくれたのか」といったデータです。
LINE公式アカウントには、「LINE Official Account Manager」という分析機能があり、あらかじめ用意された指標をもとに手軽に効果を確認することができます。
ただ、当然LINE側で把握できるのはサイトへ遷移する手前の部分、といった内容になります。
LINE Official Account Managerでわかること
- メッセージが送信された人数
- メッセージが開封された人数
- メッセージ内のいずれかのURL(画像)をクリックした人数
- メッセージ内のいずれかの動画・音声の再生を開始した人数
- メッセージ内のいずれかの動画・音声を最後まで見た人数
- 開封率
- クリック率
- 動画や音声の再生開始率
- 動画や音声の再生完了率
これはこれで重要なデータですが、その後、サイトへ訪問してくれたユーザーが、どのくらい滞在し、どんなページを見ているのか、実際に買い物をしたのかどうかも把握しておきたいところですよね。
というわけで、本記事では「LINE公式アカウントからの流入やコンバージョンをGA4で計測できようにするための設定手順・確認方法」をまとめたいと思います。
また、サイト内での行動経路の確認方法についても解説していますので、LINE公式アカウントの反響・成果をGA4で確認したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
事前準備:カスタムURLを使用する
通常、LINE経由の流入は、GoogleAnalytics上では (direct/none)、つまり「流入元不明」として分類されてしまいます。
したがって、まずはLINE公式アカウント経由で流入したユーザーの行動を、Google Analyticsで正しく計測できるようにする必要があります。
そのためには、LINE公式アカウント上で配信するメッセージやリッチメニューの遷移先として指定するURLに「UTMパラメータ」を付与しましょう。
UTMパラメータとは、GoogleAnalyticsでデータ計測を行う際、データの流入経路を正しく認識させるために、URLの末尾に追加する文字列のこと。
そして、こういったパラメータを付与したURLを「カスタムURL」と言います。
実際に使用するカスタムURLの例
https://attnoel.co.jp/?utm_source=line&utm_medium=social&utm_campaign=2023xmassale
今回使用するUTMパラメータとその値
パラメータ | 値 | 意味 |
---|---|---|
utm_source | line | 「参照元」は「LINE」です |
utm_medium | social | 「メディア名」は「social」です |
utm_campaign | 2023xmassale | 「キャンペーン名」は「2023xmassale」です |
URLの末尾に「?」を追加し、上記の各パラメータを「&」で繋いだのが先程のカスタムURLになります。
なお、URL にパラメータを追加する順番に決まりはありません。ただし、パラメータの値では大文字と小文字が区別されます。例えば、”utm_source=line” と、”utm_source=Line” は別物として扱われます。
こういったカスタムURLを使用することで、例えば「参照元がLINEの場合」「このキャンペーンからきたユーザー」という具合に、GA4にてパラメータごとのセグメントが可能になります。
「参照元/メディア」を調べた際「(direct/none)」に分類されるのではなく、「line/social」として分類されるようになり、また、キャンペーン名ごとのアクセス、つまりどのメッセージをタップして流入したのかを確認できるようになります。
LINE公式アカウントでメッセージを配信する場合や、各種リッチメニューのリンク先を設定する際には、これらを参考にカスタムURLを使用してください。
カスタムURLの発行方法
LINEの配信をするたびに、毎回こういったカスタムURLを手入力していただいても問題はないのですが、Google社が提供している「Campaign URL Builder」というサービスを使って発行するのが便利です。入力ミスの防止にも繋がります。
「Campaign URL Builder」にアクセスし、「リンク先のURL」を入力、「参照元」「メディア」「キャンペーン」それぞれパラメータを入力します。
この例では、参照元に「line」、メディアに「social」、キャンペーンに「2023xmassale」と入力しました。
すぐ下のセクションに、入力したパラメータに基づいたカスタムURLが生成されます。
このカスタムURLを、LINEで配信するクリスマスセールバナーのリンク先として使用すれば、その効果を測定できます。
次章より、その確認方法をご説明していきます。
LINE公式アカウントからの流入数を確認する
カスタムURLを使ってメッセージを配信した際、GA4にて、LINE公式アカウントから自社ECサイトへの流入数を確認する場合の基本的な手順を説明します。
GA4でこれらの流入を見る場合、「レポート > 集客 > トラフィック獲得(orユーザー獲得)」から前述したパラメータごとにセグメントしてご覧になれます。
ここで先程の表をもう一度。
パラメータ | 値 | 意味 |
---|---|---|
utm_source | line | 「参照元」は「LINE」です |
utm_medium | social | 「メディア名」は「social」です |
utm_campaign | 2023xmassale | 「キャンペーン名」は「2023xmassale」です |
この画面で見たいパラメータの値を表示させるだけです。
LINE公式アカウントから流入したユーザーのコンバージョン数を確認する
次に、LINE公式アカウントから自社ECサイトへ流入したユーザーが、どの程度コンバージョン(商品購入)をしたのかを見てみましょう。
前提としてGoogleAnalytics上で、コンバージョンの設定がされていることします。
コンバージョンの設定ができていない場合は「【GA4】初期設定ガイド〜最低限設定しておくべき箇所〜」をご参考にしていただき、事前に設定しておいてください。
「レポート > エンゲージメント > コンバージョン」から、確認したいコンバージョンを選択。
あとは先程と同じように、見たいパラメータの値を表示させるだけです。
LINE公式アカウントから流入したユーザーのサイト内行動経路を確認する
最後に、LINE公式アカウントから自社ECサイトへ流入したユーザーが、どういったページを回遊してくれたのか、その確認方法を説明します。
まずは、左メニューから「探索」を開き、「経路データ探索」より新しいデータ探索を開始しましょう。
セグメントの「+」ボタンをクリックし、セグメントの新規作成を開きます。
カスタムセグメントを作成の「セッションセグメント」を選択。
新しい条件を追加をクリックし、
「トラフィックソース > セッションのキャンペーン」を選択。
続いて「+フィルタを追加」をクリックし、
見たいキャンペーンを選択のうえ適用、
適当なタイトルをつけて保存します。ここでは「LINEキャンペーン」としました。
変数のカラムと設定のカラムに「LINEキャンペーン」が追加されていることが確認できます。
この状態で、「最初からやり直す」をクリックし、デフォルトで表示されているフロー図をリセットしましょう。
始点を「ぺージパスとスクリーンクラス」に設定し、
該当のバナーの遷移先に設定したURLを選択。
すると、カスタムURLから流入したユーザーがサイト内をどのように移動したかが見れるフロー図が表示されます。
各項目の青い部分を押すと、次にどこへ遷移したのか確認できます。
カスタムURLを使いこなそう
このように、カスタムURLを使って配信さえすれば、あとはGoogleAnalyticsで解析できるようになります。
はじめはやや手間を感じてしまうかもしれませんが、慣れてしまえばそこまで大変な作業ではありません。
また、LINEでの配信のみならず、例えばメールマガジンや、広告バナーのクリック率等を分析する際にも、カスタムURLを使えば、同様にデータの解析が可能です。
WebサイトやECサイトの運営に関わる方は、覚えておいて損はないので、これを機にぜひ使いこなせるようになっておきましょう。
カスタムURLについてより詳しく知りたい方は、公式ヘルプ「[GA4] URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する」が参考になるかと思います。
なお、弊社クライアントさまの場合は、GoogleAnalyticsの設定はもちろん、具体的なカスタムURLの雛形をお渡しますのでご安心ください。
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2006年よりWebサイト制作・運用に携わる。2012年アットノエル創業。 個人事業主から上場企業まであらゆる業種のWeb活用を支援し、主にWebサイトの企画や運用サポート、お客さまの相談役を担っています。 「最適化」と「情報整理」が得意。
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